サイズミスはなぜ起こるのか?
日本人は甲高・幅広!これって結構言われていますが、本当にそうなのでしょうか。現代人の足って結構細くなってきているって話も聞きます。少なくとも私自身は相対的には間違いなく甲低・幅狭です。そして、靴選びにはとても苦労してきました。パシッと合う靴がなかなか見つかりませんでした。百貨店や靴屋で試着して店員さんに見てもらっても結局は合いませんでした。試した靴の数は数知れず、何度購入して失敗したことか。。なぜそのようなことになるのでしょうか?理由はいくつかありますが、まずはフィッテイングの基本を正しく理解することです。大体は、小指の側面が面で触れていて、甲にあまりがなく、踵も指が1本なんとか入る程度とか言われていますが、確かに、これを守ればそれなりのフィット感は得られます。こんな基本中の基本を徹底すればいいのに、なぜサイズミスが頻発するのでしょうか。
自分の足って本当に小さい?
特に、日本の百貨店や靴屋で日本製靴を購入される方は要注意です。日本の靴って、大体はウィズがEから企画されているものが多いですよね。リーガルはEEだったり、スコッチグレインはEからEEEとかあったり、三陽山長だってオーダーしないとEだったりと、多くの日本の既成靴はウィズがE以上が通常展開である場合が多いです。これは、日本人は甲高・幅広と言われているのと関係があるのでしょう。すわなち、日本の既成靴はマーケットの多くを占める甲高・幅広な人向けに靴を展開しているため、同一木型で大量生産を行う既成靴については、どうしても甲高・幅広な展開が多いのです。そんなこと言うけど、甲低・幅狭な自分に合う靴もけっこうありまっせと仰られる方も多いかもしれません。私もそう思っている時期はありました。
サイズダウンには気をつけよう!
しかし、甲低・幅狭な同志の皆様、こんな経験はありませんか?確かにフィットしているんだけど、長時間履くと痛い!帰りの時間、お酒飲んだ後なんか、特に激痛に耐えながら足を引きずって帰ったような経験が!もし、あるとすればこれは結局のところフィットしていません。インソールが沈めば大丈夫!なんて淡い期待をもって、どれだけ激痛の時間を味わいましたか。この理由について、私の経験則から申し上げると、丈の長さが足りないのです。タイトフィッティングを好むと言いながらタイトに合わせた靴について、このようなフィッティングをしていませんか。それは「サイズダウン」です。日本の靴って基本的にウィズはE以上の幅広仕様に作られています。甲低・幅狭な人がこれに合わせようとすると、どんどんサイズを小さくしていくしかないのです。店頭で試着させてもらい合う靴を提示された時に、自分の足って思ったより小さいんだな、なんて思ったことはありませんか?お客様にはそのサイズがベストです!なんて言われて、それを鵜呑みに購入したことはありませんか?皆様の足って本当にそんなに小さいでしょうか。
甲低・幅狭な人は今一度自身の足の丈の長さを図ってみてください。丈はあるけど靴のサイズは小さい、それはウィズと甲が合わないからどんどんサイズダウンするほか無いが故です。そうやってフィッティングした甲低・幅狭な方の末路は、激痛の走るような靴を我慢してインソールの沈み込みを待つという希望を抱きながら、途中で修行に耐えられずに靴を投げ出すこと、または、修行を完遂して足を痛めていくことです。これが甲低・幅広な人が陥りがちな罠です。
徹底的に「木型」を選ぼう!
激痛に耐える時間が重なっていくと、間違いなく足にも悪影響が及びます。時間をかけて指が歪んでしまったり、年を取った後には革靴を履いては歩けないような支障をきたすことだってあります。そのような方は、足の健康のため、今すぐ靴選びを見直してください。ウィズなど合わない靴があれば、丈で合わせてインソールで調整、可能であれば、オーダーインソールなどで自身の足型に合わせてもらった方が足の健康は維持できます。インソールが嫌な方は、徹底的に自身の丈に合うサイズの中から、甲の高さやウィズが合う「木型」の靴を徹底的に探してください。お気に入りのブランドであったとしても、自身の足型に合わない木型の靴を履くのは勇気をもってやめましょう。日本の靴だけでなく海外の靴や、あるいはカスタムオーダーやMTOなども積極的に利用しましょう。同じシューメーカーの数多ある靴の中で、自身の足に一つでもパシッと合う木型の靴があれば儲けものです。真のタイトフィッティングはサイドからある程度の圧がある靴であり、決して小指などが痛むものではありません。
靴のサイズ選び、その大前提は靴の木型選びです。数多くの木型の靴を試し履きして、是非自身の足に合う木型を見つけましょう。そして、愛着をもって永く大切にケアしながら愛用しましょう。甲低・幅狭な同志の皆様のフィッテイングと足の健康に対して、数多の失敗を経験した私からのメッセージです。