革底とラバー、どちらを選ぶべきか?
革靴愛好家の中でも議論が別れるテーマの1つ、それは革底派か、ラバー派かではないでしょうか。ここでいうラバー派とは、ダイナナイトソールのような元来のラバーを好む者ではなく、革底にハーフラバーを貼るという意味でのラバー派になります。
それぞれ、メリット・デメリットはあります。ただし、要は好きな方を選べば良い、というのが結論です。
つまるところ、何に重きを置くかの違いです。以下、いくつかの検討軸で革底とラバー底との比較をしていきます。
歩行時の感触
まずは、歩き心地を検討軸としてみます。革底で歩いた時と、ラバーで歩いた時、どちらが心地よいでしょうか。答えは、当然ながら個人の感覚によるところが大きいです。絶対的にどちらとは言えません。革底の質感や歩行時の音、軽快なタッチが良いと言う人もいれば、ラバー底のグリップ感や安定感がよいという方もいるでしょう。まずは、自分にとって心地好いのはどちらか、自身の感性に従いましょう。
経年における耐久性
さて、次は経年における耐久性を注視したいと思います。英国靴に多く見られるグッドイヤー・ウェルテッド製法はオールソール交換が可能です。しかし、無限にはできません。腕の良い職人さんに任せて3回程がせいぜいだと言われています。なぜならば、オールソール交換の際に上底と改めて縫い直す際に、寸分違わず針を入れることは難しく、徐々に針穴が広がるからです。グッドイヤー・ウェルテッドであれば修理も何度でもできると捉えられがちですが、この点はまず前提知識として持っておいた方が良いかもしれません。
そのうえで、長持ち・耐久性と言う点ではどちらに軍配が上がるか、これはラバー派だと思います。なぜならば、ラバーだけを交換がしていけば、オリジナルのアウトソールは磨耗しないからです。つまりは、オールソールが不要となります。
ずっと同じ革靴を長く履きたいという方は、耐久性の面からはより多くの使用回数にも耐えうるラバーに一票を投じることになるかと思います。
通気性
これはよく革底の方が通気性は高いと言われています。確かに、履いた感じでは革底の方が通気性が良い気もしやす。しかし、実際には思い込みのようでもあり、そこまでの大差は無いような気もします。実際の性能差の客観的な特定は難しいですが、それでも構造上・性質上は革底に軍配を上げていいのではと思います。
底面を見たときの格好良さ
これも個人的な感性によるところが強いです。革底の方が格好良いと言う方が多い傾向にありそうですが、ラバーでも質感や靴修理職人さんの腕前によりとても格好良く仕上げてくれます。自身の感性に従い好きな方をチョイスすれば良いのだと思います。
トータルコスト面
コスト面では、初期投資はラバーの方が装着費用が高いです。しかし、革底のままでは当然のことながら革底が直に磨り減って行くため、オールソールのタイミングが早まります。結果とさかて、ラバー装着とオールソール交換とでは値段が5倍ほど違うので、革底でオールソールが必要な期間よりも長い期間で比較した場合、コスト面ではラバーの方が優位かと思います。
結論
以上、革底とラバー底との比較を行いましたが、諸々の比較検討の結果、最終的には自身がより重きを置く方を選ぶことが良いと思います。
自分の感性に自信を持ち、革底でもラバーでも、いずれも胸を張って歩きましょう!